エマニュエル・ロドリゲスの戦績がすごい!井上尚弥とどっちが強い?

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今、WBSSの公式サイトに、トーナメントシーズン2であるバンダム級トーナメントに参戦すると正式発表されている選手は3名。

 

一人はライアン・バーネット、WBA同級スーパー王者。さらに、ゾラニ・テテ、サウスポーの技巧派です。

 

そしてもう一人は、ボクシング大国プエルトリコから。エマニュエル・ロドリゲス、その人です。

 

バーネットとテテのキャラに隠れて、まだバンダム級戦線で目立てていませんが、現在IBFのチャンピオン。

 

では、ロドリゲスの戦績や、井上尚哉との比較を見ていきましょう。

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1.アマチュア時代のロドリゲス

2018年6月現在、ロドリゲスの戦績は18戦18勝12KOのパーフェクトレコード

この戦績を残すだけあって、輝かしいアマチュア経験を持っています。

 

1992年8月プエルトリコ生まれ。ボクシングを始める前には、プエルトリコで人気のスポーツである野球やフットボールにのめりこみます。

 

ボクシングを始めたのは、2006年。プロデビューが2012年なので、6年のアマチュア経験を持っていることになります。

 

その6年のアマチュア歴の中で、ロドリゲスは世界ユース選手権銀メダル、さらにシンガポールで行われたユース五輪で金メダルを獲得。さらに指導者は世界2階級制覇王者ダニエル・サントスを育て上げたアルツール・リオスとオルランド・ロドリゲス・サラス。

 

もともと抜群だった運動神経に加え、的確な指導で上述の成績を残します。

 

しかし、アマチュアボクサーの最大の目標の一つであろうオリンピックには参加できていませんでした

 

ユース選手権とユース五輪を獲得した2010年の末、ロドリゲスを不幸が襲います。

トラックの事故に巻き込まれ、全身の66%、特に背中と脚に2度熱傷以上の火傷を負ってしまいます。

 

しかし、やはり後に世界チャンピオンになる男です。プエルトリコオリンピック委員会から治療のための補助金なども受け、事故の約1か月半後には1週間に2.3日の練習が出来るまでに回復します。

 

しかも入院しながらです。トレーナーのオルランド・ロドリゲス・サラスは、「入院中のボクサーの指導は初めてだ」と語ったそうです。

 

治療の経過もよく、2011年9月には公式試合に復帰。しかし、やはり怪我の影響が大きかったのか、2012年のロンドン五輪選考に残ることが出来ず、アマの道をあきらめたようです。

 

デビューは2012年6月。そこから18戦18勝12KOの快進撃のスタートです。

 

では、プロ戦績、そのスタイルなどを見ていきたいと思います。

 

2.エマニュエル・ロドリゲス戦績とスタイル

WBSSに出場する選手のうち、井上尚哉に最も似ているスタイルなのが、このロドリゲスだと思います

 

まず、デビュー時期もほぼ同じ。そしてバンダムの王座を奪取した時期もほぼ同じと来ています。ロドリゲスのデビューは2012年6月、対して井上は同年10月。

そしてバンダムのチャンピオンを取ったのもほぼ同時期です。ロドリゲスも井上も、共に2018年5月なんですね。

 

ロドリゲスは2018年5月に、ポール・バトラーと空位のIBFバンダム級王座決定戦を争い、判定で勝利します。

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ポール・バトラーは、ゾラニ・テテの左アッパーに沈んだ印象が強いですね。

ロドリゲスが取ってきたタイトルは、WBOラテンアメリカバンダム級王座、WBCラテンアメリカバンダム級暫定王座、WBAフェデラテンバンダム級王座、WBCラテンアメリカバンダム級王座、そして現在のIBF世界バンダム級王座。

 

南米選手の王道ルートですね。日本でいえば、日本王者、OPBF王者を得て世界王者になるような感じです。

 

彼の18戦の中で、そこまで目立った相手との対戦はありません。直近の、王座を獲得したポール・バトラー戦を少し詳しく見ていきたいと思います。

 

この試合はバトラーの方がなんと1.5Kgもの体重超過で王座剥奪となり、変則タイトルマッチで行われました。ホント、「変則」といえないくらい最近多いですね。。

 

思うのは、ロドリゲスのスタイルが、WBSSに参加する選手の中で最もオーソドックスだということ。バーネット、テテもともに特徴あるスタイルです。

 

そしてとにかく左が多彩。1ラウンドほとんど右は打たず、左左左。1ラウンド1分30秒には左ボディから左フックへの王道コンビネーションでダウンを奪います。さらに残り44秒のところでもダウンを奪取。

 

2度目のダウンのところはバトラーがバランスを崩しただけのように見えたのですが、試合は早く終わりそうな様相を見せます。

 

途中にも左の良いアッパーがバトラーの顎に入ります。

 

ガードも固いですね。バーネットのようなヘッドスリップだけでよけるというようなことはせず、打ったらすぐガードの、まさに教科書のようなスタイルです。

 

まさに基本に忠実な王道スタイル。リカルド・ロペスをはじめ、南米のアマチュアエリートは本当にこういう選手が多いですね。

 

左は多彩ですが、右も良いです。右のパンチは3種類。ジャブのようにノーモーションで打つ右と、通常のワンツーのストレート、さらにフックとストレートの中間のような打ち下ろしの右

 

バトラー戦では見られませんでしたが、ルイス・イノホサ戦では、カウンターで打ち下ろしの右が入り、相手が前のめりに倒れました。

 

バトラー戦では1ラウンドから12ラウンドまで左の数は変わらず、左主体で相手を崩していきます。右もジャブのように出てくるのでやっかいですね。結果は120-106が2人、118-108が1人の大差でした。

 

ガードも固くて、パンチが多彩。よく言う穴のない選手です。

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3.井上尚哉との比較

ロドリゲスは穴のない選手です。特段の短所も見られません。スタイルも同級王者たちの間では、最も井上尚哉に似ており、対戦したらかみ合うでしょう。

 

井上尚哉と戦った場合、どちらが勝つかと言えば、井上の方ですね。これはなぜかと言うと、ロドリゲスの方に特段怖さが感じられないからです。

 

私はバンダム級王者の中で、井上打倒の最右翼はゾラニ・テテだと思っています。あの360度を見渡しているのではないかというような目つきと、長い手足、懐の深さは、井上が今まで戦ったことのない不気味な相手です。日本人が弱いタイプの選手。

 

対して、ロドリゲスのスタイルは井上がこれまで何度も対峙してきたであろうスタイル。打ち下ろしの右以外、井上にとって特段怖いというモノがなく、井上が倒される姿が想像できません。

 

世界戦がポール・バトラー戦のみなので、他王者に比べて情報が少ないという事もありますが、あの試合を見る限りでは井上勝利は揺るがないです。

 

ジャブ、踏込、バックステップのスピード、そして決めパンチの威力。どれを取っても井上有利。ロドリゲスの戦績を見る限り、井上クラスの選手との試合はありません。PFPランカーなので当たり前ですね。

 

いまだ防衛線も経験していない選手に、井上クラスは少しかわいそうな気もしますが、当たれば井上有利は圧倒的でしょう。

 

4.まとめ

大けがもあり、オリンピック出場という夢をあきらめ、プロ転向をしたエマニュエル・ロドリゲス。ボクシング王国プエルトリコの新鋭であり、今後に期待の25歳です。

 

18戦18勝12KOのパーフェクトレコードは素晴らしい。ですが、その中で特段目立つ選手との対決はなく、これからの大物との対戦でさらに進化するかなと思います。

 

それがWBSSという舞台であり、井上、テテ、バーネットとの対戦が、今後のロドリゲスの大きなターニングポイントになるはずです。

 

WBSSの中では「伏兵」という言葉が一番ぴったりでしょうか。しかし、こういった「伏兵」が上がってくるのもトーナメントの醍醐味。

 

WBSSでのパフォーマンスが楽しみです。

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