「絶対王者を誰が止めるのか?」
ある一人の政権が長期間続く場合、このテーマは常に付きまといます。
フロイドメイウェザー・ジュニア、ウラジミール・クリチコ、ローマン・ゴンザレスなど、勝ち続ければ勝ち続けるほど、
「負けるところが見てみたい」
という声も多くなってきます。
ゲンナディ・ゲンナジービッチ・ゴロフキンもその一人。
現在17階級を通じて、防衛回数が最も多い王者です。
WBAは19度、WBCは8度の防衛をこなしています。
このゴロフキン打倒の最右翼は、現在最もPPVを稼ぐボクサーの一人、サウル・アルバレス。
既に2人は2017年9月16日に戦い、その時は判定という結果になりました。
そして約1年後の9月15日(現地時間)、決着をつけるため、2人は再度リングで相見えます。
ゴロフキン対アルバレス、この試合を徹底予想したいと思います。
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1度目の対戦の内容
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まさにミドル級頂上決戦。
ゴロフキンを倒せるとしたら、アルバレス以外に候補が見つからないであるがゆえに、会場のメキシコ系ファンの熱気は十分。
アルバレスの入場時には一気に歓声が多くなったようです。
試合序盤はゴロフキンのジャブと、アルバレスのコンビネーションの差し合い。
どっしりと構えるゴロフキンに対し、アルバレスはステップでリズムを取りながらサークリング。
アルバレスの派手なコンビネーションがガード越しでも放たれるたびにファンの歓声が沸きます。
やはり会場はアルバレス派が大多数でした。
3ラウンドからゴロフキンの手数が増え始めました。
アルバレスは一発一発が大胆で見栄えがいいですが、手数が少なく当たっていない印象があります。ただ、ボディとアッパーはうまい。
3ラウンドにそれぞれ綺麗なショットが1発ずつ入っていました。
4ラウンド目、アルバレスを追っていたゴロフキンがついにアルバレスをとらえ始めます。
アルバレスも自分のディフェンスには自信を持っていると思うので、表情を見るとそこまでピンチのような感じではないようでしたが、ゴロフキンが見せ場を作ったシーンです。
それにしてもアルバレスは後退するシーンが多い。
審判の印象もよくなかったでしょう。
5ラウンドも同様。ダニエル・ジェイコブス相手に判定までいってしまい連続KO記録の途切れたゴロフキンに対し、
「ゴロフキンは既に下降線」
との声も聞かれましたが、この試合を見る限り決してそうではなかったです。
アルバレスの軽い右が入った後、やり返すように右のオーバーハンドをやり返すところも、しっかりしています。
後半勝負の予定だったのか、アルバレスの手数が6ラウンド目から増加。
しかし、ゴロフキンの圧迫感をやはり感じていたのか、クリンチから反則パンチを放つアルバレス。
アルバレスは精神的に少しだけ幼い所がありますね。対メイウェザー戦しかりです。
中盤からゴロフキンは完全に前傾姿勢。
アルバレスは手数を増やすか前進をしないとポイントアウトは難しいかなといった印象です。
後退するのは作戦の一部でしょうが、手は出さないとゴロフキン相手にはまずかったですね。
7ラウンドはアルバレスいいところなし。
8ラウンド、アルバレスに良いシーンが一つ。
ロープを背負いながらのコンパクトなアッパーがゴロフキンの顎に入ります。
が、しかしゴロフキンの前進は止まらず。前進をさらに強めます。
ゴロフキンは完全に自分のリズムで調子に乗れている印象です。
アルバレスはこの圧迫感を止めたいのか、9ラウンド大ぶりのパンチが増えます。
この試合アルバレスの見せ場の一つである大振りの右フックがゴロフキンをとらえました。
通常であれば倒れていそうなパンチですが、それをくらっても倒れず、何事もなかったかのように前進するゴロフキン。
首を右に捻って衝撃を吸収した模様です。アルバレスは八方ふさがりといった感じでしょうか。
その打開のために、9ラウンド序盤は手数を増やし、ゴロフキンの若干の後退を生み出します。
しかし、アルバレスの攻撃も続かず、ゴロフキンはさらに前進。
10ラウンドもアルバレスは、今までのラウンドと比べて出てきましたが、ゴロフキンの圧迫感を減少させることが出来ず、結局足を使って距離を取るのが関の山。11ラウンドもそんな感じです。
ラストラウンド、やっとアルバレスの手数がゴロフキンに追いつき始めました。
重く素早いコンビネーションが、ガードの上ながらゴロフキンの体を揺らします。
ただ、ちょっと遅すぎた。3分間のうち、勝負をかけるような連打は出るけれども、それ以降が続かない。
常にジャブをだし、前進を続けたゴロフキンと、単発ながら強力なパンチを数発当てたアルバレス。
ポイントのうえでは、だいぶゴロフキン有利だと思われましたが、結果は
118-110カネロ、115-113ゴロフキン、114-114ドロー、つまり1-1、三者三様のドローです。
ゴロフキンが勝っていたと言うファンも多いですが、引き分けでもいいとは思います。
実際アルバレスも、まとめた連打でゴロフキンにパンチをヒットさせていましたし、見栄えはよかったです。
だが、118-110はあり得ないかなと思います。
名勝負に必ず一人はこういう判定がいるんですよね、メイウェザー対アルバレス戦のときもそうでした。あの時はジャッジが処分されましたが。
所謂「疑惑の判定」です。
疑惑の判定の後は、ダイレクトリマッチが待っているのがボクシングの常。
しかし、それは暗礁に乗ります。
今年の5月にダイレクトリマッチが予定されていましたが、アルバレスの方がドーピング検査に引っかかってしまい、アルバレスは結果半年間の出場停止。
アルバレスは汚染肉を食べたから引っかかったと主張し、丁度ルイス・ネリと同じような感じです。
ファイトマネーにも中々折り合いが付きません。
出場停止をくらったアルバレス側のゴールデン・ボーイ・プロモーションですが、PPVでは断然アルバレスの方が上なので、ファイトマネーの配分比率を交渉したりと、だいぶ長引きましたが、結果アルバレス6:ゴロフキン4くらいで落ち着いたみたいです。
このドーピング問題で、完全に善と悪の図式が出来上がりました。
これはファンにとっては面白くなります。
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ゴロフキン対アルバレス-Ⅱの行方
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では、9月15日に行われるこの2人の2戦目。
どのような展開かと予想すると、ゴロフキンは更に圧力を強めた攻撃をしてくると思います。
ドーピング問題に関して、珍しく相手への批判を強めたゴロフキンでしたので、そのストレスも相当なものだったでしょう。
怒りをエナジーにすることはないと思いますが、いつも以上に怖いゴロフキンが見られるかもしれません。
ただ、やはり被弾が多い。
よく年齢からくる衰えと言われますが、相手も上級王者です。
仕方ないといえばそうなのですが、マーティロスヤン相手に簡単に被弾を許してしまうようでは、アルバレスの攻撃力だとちょっと危ないです。
ガードへの意識をゴロフキンがさらに強くすれば、勝利は盤石のものとなるのではないでしょうか。
アルバレスは手数です。
おそらく1戦目、アルバレスは今まで倒せていたパンチで、ゴロフキンが倒れないと思い、いらいらしていたのだと思います。
今までの試合はほとんどがキャッチウェイトで、アミール・カーンなんか下から上がってきた選手。
本物のミドルであるゴロフキンに対しては、更に手数を増やし、ダメージを蓄積させるということお必要だと思います。
ただ、それ以外はアルバレスに特に注文はありません。
目は良いですし、パワーがないという事はなく、今回フィジカル強化にもSNSを見る限り力を入れているようなので、前回よりもさらにアップしているはずです。
手数を出すと言う意識と、それを補えるスタミナ、私はアルバレスにこれが加われば、アルバレスの勝利と予想します。
以上、前回の試合から、今回9月15日の予想をさせていただきました。
2017年に行われた第一戦では、ゴロフキンの手数と前進が、アルバレスのオフェンスを封じ込めました。
前回の試合で、アルバレス側に有利な判定に動いてしまったので、今回2戦目のジャッジがそれと逆の方向に向かってしまうと言う事が懸念されますが、アルバレスに手数が加われば、鬼に金棒状態でしょう。
アルバレスには是非、この「謹慎期間」のトレーニングの成果を見せてほしいと思います。
まとめ
以上、前回の試合から、今回9月15日の予想をさせていただきました。2017年に行われた第一戦では、ゴロフキンの手数と前進が、アルバレスのオフェンスを封じ込めました。
それでも判定はドローで、アルバレス寄りのジャッジだったと言われています。
118-110はあり得ませんが、2人は115-113、114-114とせっています。
つまり、アルバレスに手数があれば、アルバレスがかっていた試合です。
それを、今度9月15日行えばいいのです。
手数を増やすと言うのは、簡単なようで難しい。
日頃からスパーでの意識と、スタミナ強化が絶対条件です。
次の試合で、アルバレスには是非観衆を沸かせるような熱い打ち合いにもっていってほしいですね
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