ボクシングファンが楽しみにしていたWBSS対戦カード、やっと決まりましたね。
WBSSシーズン1である、スーパーミドルとクルーザーのトーナメントが終了し、今後はシーズン2が始まります。
シーズン2の階級は、スーパーライト級とバンダム級。我々の注目はなんといってもバンダム級!出場する日本のモンスター、井上の初戦の相手も確定しました。
相手はドミニカのファン・カルロス・パヤノ。この試合の徹底予想をしてみましょう!
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井上対パヤノ決定まで
世界王者を含めた主要団体のランカー15位までの選手に出場権利があるWBSS(ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ)。
やっと井上尚哉の番が来ました。
シーズン1はスーパーミドル級とクルーザーで行われましたが、正直日本での注目度はそこまで。
主に選手が欧州系の選手でしたので、ヨーロッパのボクシングファンをターゲットにしていたのでしょう。
しかし、シーズン2は一味違います。
WBAスーパー王者のライアン・バーネット、
IBF王者のエマニュエル・ロドリゲス、
11秒KO男ゾラニ・テテ、
バンダムに戻り全盛期の動きに近づけるかがキーとなる元5階級制覇王者ノニト・ドネア、
そしてPFP上位ランカー井上尚哉が参戦。
話題に事欠きません。前々からWBSS軽量級開催を示唆していたWBSS主催者ですが、やっと楽しみが始まりますね。
世界王者、および15位までのランカーのうち、8名が参加する事の出来るトーナメント。この対戦カードがついこの間決まりました。
このカードの決め方も豪華絢爛!
ロシア・モスクワに出場ファイターが集まり、シードとなった4選手がそれぞれの対戦相手を指名します。
シードになるのは現世界王者の4名。
つまり、初戦で王者同士の戦いはないわけです。その方が準決以降盛り上がるのでいいですね。
まず指名権を与えられたのはWBAスーパー王者のライアン・バーネット。
ジェイソン・モロニー、
ミシャ・アロイアン、
ノニト・ドネア、
ファン・カルロス・パヤノ
の4名から自由に選ぶことが出来ます。
ここでバーネットが指名したのはノニト・ドネア!
次に井上が登場。
残り3名から対戦したい相手を選べるという事で、パヤノを選んだというわけです。
正直、ファンとしては井上対ドネアを見たかったのが本音でしょう。井上自身も、ドネアをバーネットに取られたと言っていましたからね。
ドネア以外で実力がある程度認められている選手はファン・カルロス・パヤノ、井上は彼を選びました。
ファン・カルロス・パヤノとはどのような選手か?
井上の対戦相手、ファン・カルロス・パヤノとは、1984年生まれの34歳。ドミニカ人です。プロデビューは遅めの26歳のとき。アマチュア歴が長い選手でした。
アマチュア時代はパン・アメリカン競技大会で2度の銀メダルを獲得。さらに、アテネ五輪、北京五輪に出場経験があるアマエリートです。
アマ時代の方が、プロ戦績よりも名前のある選手と戦っています。もちろん当時は無名ですが、ユリオルキス・ガンボア、マックウィリアムズ・アローヨ、アムナット・ルエンロエンと対戦経験を持っています。
プロデビューは2010年8月。現在まで21戦20勝9KO1敗の成績を残しています。世界王者に挑戦したアンセルモ・モレノ戦、ダイレクトリマッチとなったルーシー・ウォーレン戦がパヤノキャリアのハイライトですね。
では、ファイトスタイルなどを見ていきたいと思います。20勝9KOの戦績から見ても、パワーはない。結構筋骨隆々で、左右フックも豪快に打ち込んでいくのですが、それでもKO率は少ないですね。
なぜかと思って数試合見てみましたが、同じ階級のゾラニ・テテのように、右手をだらりと下げてジャブから入っていくスタイルですが、ひとたび近づいたら上記の左右フック。この左右フックが本当にアマエリートかと思えるくらいかなり雑。
相手の後頭部に当たるほど後方に手を回して打ちます。それで何度か後頭部やられた選手もいますね。また、右ジャブから岐路を見出すのはいいのですが、ジャブの後強引に近づいていくので、バッティングの可能性も大。
モレノはこれにやられました。負傷判定で敗れたので、不運な敗戦でした。
KO率が低いのも、このパンチの雑さからくるものでしょう。何試合か見る限り、KO率が少なそうな選手には見えません。パンチの質からくるものです。
また、よく「元スーパー王者」という肩書が付きますが、このスーパー王者、既に正規王者のような扱いになってしまっています。
別の記事でも書きましたが、スーパー王者というのは、WBAが設定している特別王者で、正規王者を7回程度防衛した、もしくはその対戦相手がスーパー王者に格上げされるにふさわしい選手であれば、認められるものなのです。
パヤノ以前にスーパー王者として君臨していたアンセルモ・モレノ。彼は7度のWBAバンダムの正規王者を防衛したのち、スーパー王者として認定をされています。
これが通常のスーパー王者なのですが、彼に勝ったモレノがいきなりスーパー王者になってしまっているのです。
しかも、パヤノのこれが初めての世界挑戦。スーパー王者に勝ったら、スーパー王者という流れが出来てしまいました。
ちなみに、今のスーパー王者である、ライアン・バーネットもこの流れで来ています。ですので、スーパー王者であるからといって、懸念材料になるとは考えにくいですね。
唯一あるとすれば、ルーシー・ウォーレンとのスピード感あるバトルが出来るという事。井上もそれが出来ます。いなす技術すら高度なレベルで持っている事は、スパーリングの動画などを見ても分かります。
しかし、偶然の一発があるのがボクシングですし、パヤノのようなダーティファイトすらしかねない選手に対して油断は禁物です。
この前の井上の試合である対マクドネル戦は、かなりの身長差がありましたが、それを強引につぶせるパワーとスピードを見せつけました。
井上とパヤノの身長はほぼ一緒。それであるならば、井上の自由度はさらに増すはずです。そうであるならば、パヤノは手も足も出ないのではないかとさえ思ってしまいます。
対マクドネル、ナルバエスくらいの衝撃をWBSSの舞台で残せれば、世界的名声はさらに急上昇。勝敗よりも、井上が勝つかに注目しちゃっていいでしょう。
兎にも角にも、井上の対戦相手が決まってよかった!本音をいえば、ドネアとの戦いで西岡の仇を打ってほしかったですが、それを言ってもしょうがないので、パヤノをマクドネルのように豪快KOしてもらいましょう!
まとめ
WBSSバンダム級がいよいよスタートします。このような世界的イベントに、日本人ファイターが名を連ねることは、本当に日本人の誇りです。
井上の初戦の相手はファン・カルロス・パヤノ。アマの実績も十分の34歳ベテランファイターですが、井上にとっては恐れるに足りません。
スピード、パワー、オフェンス、ディフェンス、ボクシング技術のどれをとっても井上の方が上であると思われます。
しかも、身体的ハンデも今回は0。世界的な舞台で、モンスターの本領を発揮してほしいですね。
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