スポーツや格闘技はシビアな世界です、いくら言い訳や理由をつけようが、試合をして勝った方が勝者であり、負けたものは何を言っても敗者に変わりありません。
そしてその試合結果こそがその選手のすべてあり、自らの地位を築いたり、世間を納得させることができる唯一の材料でもあります。
「怪物」「モンスター」と呼ばれる日本のボクサー井上尚弥選手も、キャリアのスタートから現在のような評価を受けていた訳ではありません。
一つ一つの試合結果や試合内容によって現在の地位を築いたにすぎません、ただそこまで上り詰めるまでのスピードや試合内容が通常より早かったということでしょう。
今回はなぜ井上選手がここまでの世界的評価を受けることができたのか、またはここまで期待されているのか。
特に戦績や試合結果などは調べればすぐに出てくるので、今回は具体的な「試合内容」「戦い方」にフューチャーして語っていきたいと思います。
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戦い方の特徴① パンチ力
まずは兎にも角にも井上選手の試合を語るのに「パンチ力」を除いては語れません。
井上選手のあるタイトルマッチの試合で解説者がいったコメントがあります。
「僕らの階級ではこういうKOのしかたはあるけど、井上選手の階級、50㎏そこそこの階級でこんな倒し方をする選手はみたことない」
これはどんな倒し方をしたかと言うと、相手のガードの上からパンチを振り下ろしKOさせてしまうのです。
ボクシングはボディへのパンチなどによるKOもありますが、基本的には頭部(あごやテンプル)への確実なヒットがKOにつながることがほとんです。
なので守備の際、選手は頭部をグローブをつけた手や腕で重点的にガードするのです。
しかし、このガードが効かないほどのパンチ力を持った井上選手ですから、そもそも相手選手はボクシングの根本的な戦い方から練り直さなければいけません。
このパンチ力はもちろん、相手のボディーへも同じく効きます。
特に、井上選手の左ボディブローは数々の選手が膝をついています。
この「パンチ力」は井上選手の戦い方における最大の特徴、「強み」と言えるでしょう。
と同時に、井上選手がこれから1つ2つと階級を上げる中で、このパンチ力がどこまで通用するのかが、専門家も注目しているポイントです。
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戦い方の特徴② カウンターとコンビネーション
「怪物」「モンスター」と呼ばれる理由のひとつに、井上選手のカウンターやコンビネーションを当てるうまさがあります。
この部分は「怪物」「モンスター」というよりは、「天才」という表現の方があっているでしょう。
0コンマ何秒という攻防の中で、的確に相手の攻撃に合わせカウンターをあてることができるのは、もちろん練習による部分もありますが、元来井上選手に備わっていた天性の部分が大きいように思えます。
特に特徴的なのが、パンチでせまってくる相手に対して、自分もフェードバックしながらパンチを合わせることができる点が「天才」と思わせる部分でしょう。
こんな戦い方を、まだ20代前半の選手がやってのけるのですから、これは世界が注目するのもうなずけます。
このカウンタースキルに拍車をかけるようにすごい部分が、「コンビネーションの上手さ」です。
この記事を読まれている方で、全盛期のK-1選手「アーネスト・ホースト」の強さや戦い方を記憶している方は多いのではないしょうか。
ホースト選手は、モンスター達の勢ぞろいするK-1ヘビー級の中で、パワーではなくこの「コンビネーションのうまさ」で戦った選手で、しかも4回も王者に輝いています。
もちろんボクシングの場合蹴りはありませんが、フック・ストレート・ボディと左右に綺麗に打ちわけ、相手は完全にひるんでしまいます。
なんでこんなにもコンビネーションが当たるのか、それは井上選手の持つ「スピード」が一番重要なポイントです。
3発4発と瞬きする間もなく、当ててしまうので相手は防御が困難になってしまいます。
井上選手の試合の場合この「コンビ―ネーション」がうまく当たったかどうかが、試合展開の変わり目なので是非注目してみて下さい。
強さの根源は
最後に、格闘技好きの方へ分かりやすく井上選手の強さを表現すると
「アーネスト・ホースト選手とジェロム・レ・バンナ選手が合わさった強さ」
というのが最もしっくり来るような気がします。
特に、井上選手のKOシーンをみると特にそのように感じます。
圧倒的なパンチ力を発揮する時もあれば、小気味よくコンビネーションをあてることもできる。
この使い訳ができ、しかもそれぞれがTOP中のTOPの水準にあることが最大の井上選手の強みです。
歴史的に有名になったどのボクシング王者をみても共通して言えることは、攻撃でも防御でもスタミナでも技術でも、どの部分においても穴がなく一流の水準にあるという事が言えます。
それに加え「パンチ力」や「コンビネーション」と言った誰にも真似できない武器を持っている選手が最強と呼ばれる王者になるのでしょう。
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