メキシコといえば、日本だと軽量級のイメージが強いですが、最近では中量級あたりにタレントが揃っています。
先日、ゴロフキンとの激闘を制したアルバレスはミドル級、そして、今日ご紹介するファイターは、現在WBOスーパーウェルター級に君臨するハイメ・ムンギアです。
現在スーパーウェルターの主要団体王者は4人いるのですが、4名ともに無敗のパーフェクトレコード。
その中で、トップタイの勝ち星をあげているのがムンギアで、KO率にいたっては、断トツのトップです。
とはいっても4人の中では、王者君臨期間はまだ短く、大体4ヶ月くらいですね。
それでもなんと2度の防衛に成功中!初防衛戦のリアム・スミス戦は判定までいっているのにも関わらず、凄いタフネスといえます。
スポンサーリンク
ムンギアの戦歴
View this post on Instagram
いきなり世界初挑戦の話から入っていきたいと思います。
ムンギアは、2018年の5月に、WBOの王者にいたサダム・アリと対戦し、4回1分2秒TKO勝ちで、王者のベルトを腰に巻きます。
その時のサダム・アリといえば、2017年12月にミゲル・コットに引退の引導を渡したボクサーで、その試合は「リングマガジン アップセット・オブ・ザ・イヤー」にも選ばれています。
そのアリですが、コットから奪った王座の初防衛戦は元々リアム・スミス相手に行うはずでした。
しかし、スミスがアトピー性皮膚炎にかかり欠場。
その代役で出てきたのが、ムンギアでした。
「手も足も出ず」といった表現がぴったりでしょうか。
アリが何もできませんでした。
ムンギアはまさに倒し屋。
4ラウンドで仕留めましたが、3ラウンド以外は全てダウンを奪う横綱相撲でした。
この試合では左フックがさえわたっており、体が大きい割にコンパクトに打てています。
胴が長くて、ガードを顎の下に持ってくる構えなので、少し不格好に見えますが、アリ戦を見る限りディフェンスもいいですね。
やりたい放題だったので、課題の見えずらい試合でした。
また、代役で出た選手が王座を獲得すると、スーパースターへの道を一歩踏み出したという感じがします。
丁度パッキャオがそうであったように、です。
初防衛戦の相手は元々アリが戦うはずだったリアム・スミス戦。
期間は2ヶ月ちょっとです。
おそらく減量などはなく、ナチュラルな体重で戦っているのでしょう。
この試合は、少しだけムンギアの弱点が露呈します。
やはりガードが低い事によるディフェンスの甘さ。
スミスは、ムンギアの前戦であるアリ戦を見て研究したのでしょう。
後半になってくるとパワー負けすると踏んだのか、力がある前半勝負にスミスは出ます。
しかし、やはりリアム・スミスクラスではムンギアのパワーボクシングに勝るテクニックは持ち合わせていません。
4ラウンドくらいから、被弾はありますが打ち勝つようになり、6ラウンド目でこの試合初めてのダウンを奪います。
あともう一つ露呈した弱点は、当て勘のなさ。
6回のダウン後の追撃は仕留められたシーンですが、パンチが的確さを欠いています。
というよりも、予備動作が大きくなる癖があり、いくらグロッキーでもあれは避けられてしまいますね。
一回腕を引いて伸びるパンチを出すのでカウンターを貰いやすいく、8ラウンド目にはスミスに優勢を許すシーンもありました。
とはいったものの、フルラウンドの戦いをあまり経験してこなかったムンギアにとっては、これが良い経験になったでしょう。
12ラウンドフルは初めてのはずです。
次の試合はブランドン・クック。
フルラウンド戦って被弾もあるにも関わらず、2ヶ月弱のペースで試合をする。
このタフネスだけはスーパーウェルタートップでしょう。
この試合はゴロフキン対アルバレスのセミファイナルとして行われ、綺麗に3回KO勝ち。
本当に同じ階級なのかというくらいの体格差です。
この試合に勝ったところでムンギアの評価はあまり変わらないですね。
体格では有利だし、相手は無名。
正直ムンギアにとっていいことはあまりありません。
勝ち星を増やせるのと、メキシコの同胞であるアルバレスに良いバトンを渡すくらいのもんです。
試合のパターンとしてはアリ戦と似ていました。
左アッパー、フックはやはりスピードがあります。
スポンサーリンク
ムンギアの今後
View this post on Instagram
それでは彼の今後に関して。
まだ21歳と若く、そこまで急ぐ必要もないかとは思いますが、やはり期待してしまうのは統一戦。
ねらい目は現在WBA正規王者のブライアン・カスターノ。
View this post on Instagram
ですが、こことやってもニュースの片隅に追いやられるだけで、やはり見たいのはチャーロ弟かジャレット・ハード。
View this post on Instagram
どちらかといえばハード希望です。
というのも、どちらも力で押せ押せのタイプ。
ムンギアが初めて力で押され負け、世界の厳しさを味わう相手が彼かもしれません。
ジャーメル・チャーロはどちらかといえばテクニカルな方なので、そのテクニカルさがムンギアをどこまで追い詰めるのか見てみたいですね。
ムンギアに対抗するには、獰猛さを備えたスマートさ、テクニックです。
リアム・スミスにはワイルドさが足りず、彼に力負けしましたが、このチャーロには十分備わっていると考えます。
この2人いずれかに勝てれば、まさにスーパースター。
サウル・アルバレスに次ぐ、メキシコのスーパースターになれるでしょう。
最後の最後で余談ですが、このムンギア、アルバレスのことが嫌いみたいです。
なぜかは書いてありませんでしたが、確かに見た目もファイトスタイルも真逆なタイプですね。
アルバレスとのキャッチウェイト155ポンドでメキシコ対決なんてことも、、というのは考えすぎでしょうか?
まとめ
今回はメキシコの21歳次世代ホープ、ハイメ・ムンギアに関して書かせて頂きました。
まだ粗削りなところが多く、これからどんな課題が出てくるのかという意味もこめて、楽しみなファイターです。
まだ統一戦をするには早いと思いますが、並みのランカーだと力で彼には勝てないでしょう。
しかし、やはりスーパーウェルターは層が厚いですね。
亀海が全く歯が立たなかったコットを破ったアリを、ムンギアがいとも簡単に倒す。
この階級に置いて、日本人は食物連鎖の最下層に位置しているのではないかと、思ってしまいます。
スポンサーリンク
コメントを残す