村田諒太の強さを検証!実際の戦績を振り返る

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2018年、年度の始め特に4月・5月はボクシングファンにとっては目白押しの試合が立て続けに待っています。

それは4月15日村田諒太選手の試合、続いて5月28日に行われる井上尚弥選手の試合です。

二人とも、今現在世界が認める日本のボクサーの中では最強の二人ではないでしょうか?

世界を相手にどんな戦いを繰り広げてくれるのか、日本のボクシング界の未来を左右する試合になること間違いなしです。

今回はまず、4月に行われる村田選手の試合について語ってみたいと思います。

ちょっと視点を変え、村田選手のほどの有名人になると良いも悪いも色々な意見がマスコミやネット上に書かれてしまうのは仕方のないことかもしれません。

今回はあえてこの村田選手の戦いに対して少し批判的な意見を取り上げ、それを通して村田選手の強さや戦績を再分析してみたいと思います。

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パンチ力が足りない!?

村田選手の試合に対して、よく言われたり書かれたりすることで、

「ミドル級でやっていくにはパンチ力が足りない」

という意見があります。

私の個人的な意見では、これに対しては「それはその通り」というのが率直なところです。

というより、もう少し具体的に言うと、ではモンスター揃いのミドル級で通用するパンチ力ってなんなんだ?ということになります。

アジア人である村田選手が、欧米人や黒人のパワーや瞬発力に勝ろうというのはなかなか無理があるのではないでしょうか?

そもそもボクシングはパンチ力だけで構成されているものではありません。

何百・何千という要素が絡み合って試合結果が出るものです。

その中でもパンチ力の要素は大きいというのは否定できませんが、それだけではないですし、むしろ村田選手もそれは十分認識して違う部分で勝負しています。

リング上での動きが遅くない?

続いての意見で多いのが、

「リング上での動きが遅くない?」

という意見。

これも先の内容とかぶってしまうかもしれませんが、「その通り」というのがその答えです。

ミドル級ぐらいの体重・身体の大きさになると、どうしても日本人というかアジア人ではスピード・パワーの面で欧米人には1馬身引き離されてしまいます。

もちろん、スピードが速いことに越したことはありませんが、現実に目を向けてそのスピードにアジア人が追いつくことよりも、もっと別の勝負できる「武器」を磨くべきなのではないでしょうか。

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村田選手の武器は!?

では今まで述べたパワー(パンチ力)とスピードに代わる、村田選手の得意な「武器」とはなんなのか!?

それはズバリ「スタミナ」です。

この「スタミナ」こそが村田選手がこれまでの戦績を築いてきた原動力でもあり、強さの秘密でもあります。

正直に言うと、井上尚弥選手のような相手をガードの上から倒す圧倒的なパンチ力は、ミドル級での村田選手にはありません。

その部分をこの「スタミナ」が補っているのです。

それを物語っているのが、村田選手の戦績です、以下の戦績を見てみましょう。

1 2013年8月24日 勝利 2R 2:24 TKO 柴田明雄
2 2013年12月6日 勝利 8R 1:20 TKO デイブ・ピーターソン
3 2014年2月22日 勝利 4R 0:43 TKO カルロス・ナシメント
4 2014年5月22日 勝利 6R 2:35 KO ヘスス・アンヘル・ネリオ
5 2014年9月5日 勝利 10R 判定3-0 アドリアン・ルナ
6 2014年12月30日 勝利 10R 判定3-0 ジェシー・ニックロウ
7 2015年5月1日 勝利 5R 0:38 TKO ダグラス・ダミアオ・アタイデ
8 2015年11月7日 勝利 10R 判定3-0 ガナー・ジャクソン
9 2016年1月30日 勝利 2R 2:23 KO ガストン・アレハンドロ・ベガ
10 2016年5月14日 勝利 4R 2:50 TKO フェリペ・サントス・ペドロソ
11 2016年7月23日 勝利 1R 1:52 TKO ジョージ・タドーアーニッパー
12 2016年12月30日 勝利 3R 2:53 KO ブルーノ・サンドバル
13 2017年5月20日 敗北 12R 判定1-2 ハッサン・ヌダム・ヌジカム
14 2017年10月22日 勝利 7R 終了 TKO ハッサン・ヌダム・ヌジカム

 

注目してほしいのは勝利した試合の半分以上が5R以上で、10R以上の末勝利をつかんだ試合も幾つかあります。

これは、そもそもスタミナ戦こそが村田選手の最も得意とする試合運びである証拠でしょう。

前回のエンダム戦の前に、ある雑誌のインタビューで村田選手は自分の戦い方をこのように答えています。

「僕はガードを固めて、最大の武器である右のストレートでプレッシャーをかけ殴りにいくだけです。」

このコメントこそが村田選手の得意な試合展開を物語っています。

「ガードを固めてプレッシャーをかける」のですから、ハードパンチャー的にガンガンKOを狙っていく戦い方は、初めから捨てているように思えます。

しかし、これこそがミドル級の猛者たちの世界で日本人が生き抜いていく術として正しい判断なのではないでしょうか。

また、村田選手の繰り出す「左ボディー」もこの「スタミナ戦」を後押しする得意技だと思います。

ご存知の通り、頭部などへのパンチはゴングが鳴った直後でも良いパンチさえ当たれば相手はKOされます。

しかし、このボディーというのはなかなかそうはいきません。

何ラウンドか戦う中で、徐々に効いてきて、ある臨界的を過ぎた時に良いボディーをもらってしまうと相手は跪くというのが通例です。

徐々にボディーを効かせながら、長期戦に持ち込み、最終ラウンドでボディーでKOでも良いわけです。

4月に初の王座防衛戦を迎える村田選手、是非こんな視点でも試合を楽しんでみてはいかがでしょうか?

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