パッキャオ復帰戦でマティセに勝利!試合の振り返り、初防衛相手を予想

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「この相手には、勝てないだろ。」

そういう相手に打ち勝ち、人気を獲得してきたマニー・パッキャオ。

大物食いをする様子から、「パックマン」と呼ばれるその男は、やはり今回もそうでした。

 

正直負けると思っていました。9年間KO勝利のないパッキャオ、しかも前試合は格下相手に判定負け。

 

直近2試合でKO勝ちを続けているアルゼンチンのKOマシンには、KO負けはしないまでも、判定負けはあり得ると予想したいたのが戦前です。

 

おそらくこう予想した方は少なくないはず。しかし試合後、出てきた言葉は「やっぱりパッキャオすげぇ」でした。

 

WBA世界ウェルター級タイトルマッチ、王者ルーカス・マティセ対挑戦者マニー・パッキャオは、挑戦者パッキャオの7ラウンドKO勝ち。

 

WBAのベルトは、パッキャオの腰に巻かれました。

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1.まずは計量の様子から

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ウェルターの契約体重は66.7kg。王者マティセは66.5kg、対して挑戦者パッキャオは、66.2kgで両者ともにパス。

 

やはり注目するのはパッキャオの体つき。毎度毎度良い体には作り上げてきますが、今回も相変わらず締まっています。39歳でこの体はさすがにプロです。

 

正直パッキャオは負けたら終わり。39歳で格下に2連敗はさすがに引退勧告でしょう。所謂絶対に負けられない戦いです。

 

そして今回パッキャオの周りには変化が。長年連れ添ったフレディ・ローチと袂を分かちました。なぜかは明らかにされていませんが、おそらくローチがパッキャオの引退を希望していたからでしょう。

 

代わりにチーフセコンドに入ったのは、これもまた長年セコンドアシスタントとしてパッキャオに関わっていたフェルナンデストレーナー。パッキャオのトレーニング映像には必ず映っていますね。よくミットも持っています。

 

彼がメインのトレーナー。そして、テクニカルセコンドにはノニト・ドネアの父ドネア・シニアも入りました。

 

周りの環境も変えての挑戦。これでだめならもうやめよう、というパッキャオの気持ちの表れのような気がしました。

 

トレーナーを変えたことから、トレーニングはこれまで以上にハードだったとの事。それもあってか、やはり彫刻のような体です。

 

2.入場の様子から、各ラウンド考察

マティセ、パッキャオ共に入場時の表情は若干ナーバス。16,000人の観客がインドネシアはクアラルンプールに集まっています。

 

観客はやはりパッキャオサポーター。東南アジアなので当然ですね。パッキャオの映像が映っただけでかなりの盛り上がり。やはりフィリピンの戦う誇りです。

 

マティセの表情はいつも通りでしたが、パッキャオはたまににこやかだったり、口を真一文字に結んだ真剣な表情だったりするのですが、今回は後者の方。

 

私の印象だと、入場時がナーバス気味の方が試合のパフォーマンスは良い気がします。メイウェザーの時は、本当に試合するのかってくらいニコニコしながら、ローチとセルフィーまでしてましたからね。

 

では試合内容を少し詳しく見ていきたいと思います。1ラウンド、パッキャオのひっかけ気味で放つ右フックで若干体が流れるので、これは合わせられるんじゃないかと思ってしまいました。

 

あと、左ストレートを打ってから左側に回り込むムービングも若干中途半端。隙を見せたところをやられるんじゃないか、という心配をしてしまいましたが、双方杞憂でした。

 

前後のステップは細かく素早い。全体を通して、鍵となるパンチの一つはマティセがジャブをした後のパッキャオの返しのジャブ、もしくは右フック。肘を完全に曲げるフックというよりも、かるく肘を外に向かわせるスピードフックです。

 

これを頻繁にマティセに喰わらせていましたね。だからマティセは1ラウンドからまっすぐ下がってしまうシーンが多かったです。

 

パッキャオのような相手は、下がってしまったらどんどん調子に乗り、手数が増えてくる。最終となった7ラウンドまでそれは崩れませんでした。

 

2ラウンドからマティセが頻繁に使うようになったのが、大振りの右フック。この大振りの右フックの使用意図がちょっと気になりました。

単純に対サウスポーで顔までの距離が遠く、打ちづらいのか。それとも、ファン・マヌエル・マルケスの大振り右フックで、パッキャオがダウンしたのを研究しての対応か。

 

結果を知ってから言えるのですが、おそらく打ちづらい事から苦し紛れの事だったのかなと思います。マティセは珍しくサークリングをし、当てる場所を探っているようでしたが、それも中々見つからず、そうこうしているうちに、パッキャオに詰められるというパターン。

 

3ラウンド26秒、試合が動きます。この試合のもう一つのキーパンチ、パッキャオの左アッパーがマティセの顎に入り、マティセが膝から崩れます。

 

マティセのガードはストレート用のものでした。1.2ラウンドと、パッキャオのジャブ・ジャブ・ストレートがキレていたので、マティセもストレートが来るとふんでいたのでしょう。

 

しかし、来たのはパッキャオに珍しく左アッパー。見えてなかったでしょうから、効きます。

 

このダウンから、パッキャオの動きが俄然よくなった気がします。かといって若いころのように形振り構わず攻めるのではなく、相手のガードの隙を狙うようなオフェンスを見せていきます。

 

パッキャオのKO勝利の期待が高まっていき、会場のボルテージも同様に上がっていきました。

 

4ラウンドにダウンはありませんでしたが、マティセの手数が減り始めました。パッキャオの代名詞である、いきなりの右、そしてマティセのジャブに対し、リターンでパッキャオの右ジャブもしくは右フック。「手を出せば打たれる」という考えをマティセの頭に植え付けるのは、パッキャオにとっては3ラウンドで十分でした。

 

5ラウンドもパッキャオの手数が止まらない。そしてマティセの気持ちが露骨に切れたラウンドでした。ここで「勝負あり」といった感じです。

 

マティセのジャブから、パッキャオの右フックでマティセ2度目のダウン。効いたというよりも、「もう駄目だ」という自分から膝を崩してのダウン。しかもラウンド終盤ですから、数秒も耐えられなかったのでしょう。

 

6ラウンドはマティセのローブローがパッキャオに入ってしまい、観客は完全にマティセの敵。少しマティセが可哀想になってくるくらいです。

 

7ラウンドが最終ラウンドです。スピードの差が明確に出ました。パッキャオが右(マティセから見て左)に移動したとき、マティセはまだ正面を向いているシーンがありましたね。マティセの気が完全に抜けてしまっている状態だと思います。

 

おそらくタオル投入があるんじゃないかと思っていましたが、やはりパッキャオ。決めました。近距離の右フックから左アッパーで締め。1試合合計3度のダウンを奪っての文句なしの勝利です。

 

パッキャオにとっては初のWBAのベルト。そして9年ぶりのKO勝利、記念すべき60勝目。

全盛期の動きに戻ったという事はないと思いますが、あきらかにパッキャオのスタイルでボクシングが出来ていたと思います。フレディ・ローチは複雑な心境でしょうね。

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3.パッキャオの次の相手とこれから

はっきり言って、マティセはパッキャオの相手ではなかったです。マティセが勝つと予想した自分が恥ずかしい。。ビクトル・ポストルにKO負けしてから、マティセの対戦相手はそこまで強豪といえる選手たちではありませんでした。

 

いくら直近で2戦連続KOしているといっても、相手の質あってのこと。この勢いでパッキャオを下せるというのは、早計だったと思います。

 

兎にも角にも、パッキャオはこれでウェルター級戦線の最前線に立ちました。本人も、あと2戦はするだろうと明言しています。

 

では俄然気になるのが、次の相手。パッキャオが防衛できるか否か、という事よりも、「誰と戦うのか?」が注目です。

 

同じウェルターには、テレンス・クロフォード、エロ―ル・スペンス・ジュニア、そしてキース・サーマン。まぁいきなり統一戦はないでしょうから、挑戦者を迎えるというかたちで試合は行われるでしょう。

 

テレンス・クロフォードに敗れ、やはり短期政権で終わったジェフ・ホーンが有力かもしれません。

だが、私が個人的に一番見たいのが、マニー・パッキャオ対エイドリアン・ブローナー!

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何と言っても完全な善と悪。パッキャオ対メイウェザーも同じ図式でしたが、それをさらに超えています。別の記事で、スキャンダルがボクサーの市場価値を上げると書きましたが、ブローナーはまさにそれ。

 

しかもブローナーは突進型ではないので、パッキャオの得意なタイプであるように思えます。今回と前回のパッキャオの試合で思ったのが、現在39歳のパッキャオは突進型のフィジカルボクシングに弱くなっているということ。

 

強い前進の力をいなす力がないように思えます。ただ、マティセのようなタイプにはまだ強い。同じアルゼンチンだと、もう引退しましたがマルコス・マイダナはパッキャオ苦手のタイプだと思います。

 

ブローナーもどちらかといえば、前へ前へではなくカウンター狙いなので、パッキャオにも若干の勝機はあるでしょう。

 

ただ、上述の通りパッキャオ対ブローナーで面白いのはそれぞれのストーリー。お互い完全に違うタイプの人間なので、聴衆を惹きつけるプロモーションが出来るはずです。

 

まとめ

パッキャオはやはり強かった。勝てないだろうと目された相手に勝つ、その点だけは、年齢を重ねても変わらないのが凄いなと思います。

 

珍しく、今回は左アッパーでKO勝利を掴んだマニー・パッキャオ。やはりこの選手は自分のペースになると手が付けられませんね。本当に凄いボクサーだと感じます。

 

明確な事実ですが、既に39歳。キャリア晩年であることは本人も承知でしょう。残り少ない試合数の中、どんな相手にどんなパフォーマンスを見せるか。

 

ボクサーの引退程信用できないものはないといいますが、今度引退を口にしたら本当でしょう。それまでに、是非「問題児」を片付けてほしいというのが、私の強い思いです。

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