今回は、現在米国期待のホープ、ライアン・ガルシアに関して書いていこうと思います。
ボクシングの各プロモーターは、市場の活性化を図るため、日々新しい選手の発掘にいそしんでいます。
例えば、ジョシュ・ケリー、フェニックス・ベルデホなどなど、魅力的な選手は「Top Expected(最も期待大)」として列挙され、多くの注目を集めます。
ライアン・ガルシアもその一人。
では、彼の紹介と、将来王者になれるか否かに関して考察していきます。
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「王者の風格」ライアン・ガルシアの戦績
ライアン・ガルシアは1998年生まれの20歳。なんとも若いですね。
しかし、そのニックネームは「Kingly」つまり王者の風格です。
現在まで15戦15勝13KOのパーフェクトレコード。
ちなみに兄のシェーン・ガルシアもボクサーです。
国籍はメキシコ系アメリカ人。それらしい顔をしています。身長は178cn、スーパーフェザーであれば大きい方ですね。
今まで対戦した選手に対しても、打ち下ろしのパンチがよくきまっているようで、体格の利を活かせています。
特筆すべきはそのパンチスピード、特に左ジャブ。これは天下一品です。
SNSにも自身の練習動画をよくあげているので、見てみてください。
パンチングボールのトレーニング動画を見ると、かなりのスピードです。これまでの試合を見ても、パワーで勝負する選手ではなく、パンチの切れ味でKOを積み上げてきたといえるでしょう。
さらに、やはりイケメン。
イケメン好きのGBPゴールデン・ボーイ・プロモーションが好きそうな選手です。
ちょっと余談。アメリカには大手プロモーターとして、ボブ・アラムのTopRank、メイウェザーのメイウェザープロモーション、デラホーヤのGBP等々ありますが、それぞれのプロモーション会社にも特徴があります。
かなり大まかですが、TopRankはアマ実績抜群の本格派、メイウェザープロモーションはバネのある黒人ファイター(若干ワルめ)、そしてGBPはボクシング技術はもちろんの事、マスクも良い選手を取りがちです。
ライアン・ガルシアが所属するのはGBP。GBPの重鎮デラホーヤにかなり大事に育てられてるみたいです。今は経験を積ませている段階ですね。
アマ実績もやはり素晴らしく、ESPNによれば215勝15敗。
現在は、WBC傘下の地域タイトルである、NABFとNABOのスーパーフェザー級王座を持っています。
それでは、過去の数試合からその特徴、将来世界王者になれるか否か探っていきましょう!
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ライアン・ガルシアこれまでの試合と、将来の可能性
ハンドスピードは言う事なし。
現在スーパーフェザーにはガーボンタ・デービス、ミゲル・ベルチェルト、デヴィン・ファーマー、伊藤雅雪が王者の椅子に座っていますが、そのどれよりもスピードは上です。
現在WBC33位にランクされているみたいですが、スピードに関しては王者クラスと見ていいでしょう。
そのハンドスピードを活かしたカウンターも美技。
相手より後に手を出しているのにもかかわらず、先にガルシアの拳が相手に届いてます。まさに後の先!
スピードと彼のリーチの長さがなせる技ですね。
カウンターが綺麗に決まった試合は、まず対デボン・ジョーンズ戦。
明らかに実力差があったので、デボン・ジョーンズが下を向いて滅茶苦茶に打ってくるシーンが多かったのですが、その1本に合せてカウンター!
バックステップからの右フックカウンター、結構難しいと思いますが、何発も決めていました。
同様にバックステップしてからの左フックカウンターが決まったのが対セサール・バレンズエラ。
相手も背丈があったので、ひじを上に向けての難しいカウンターフックです。
ストレートカウンターも素晴らしい。
ミゲル・カリゾサ戦で見せたストレートカウンターは本当に最短距離で出たパンチでダウンを奪いました。
パンチスピードと、それを活かしたカウンターもチャンピオンクラス。これは文句なしでしょう。
では、課題も。
上述のダウンを奪っているカウンターですが、それで試合を終わらせることが出来ているものは少ないです。
何が言いたいかというと、つまりパワー不足。
スーパーフェザーにしては背丈がありますが、パワーがない印象です。
体つきを見ても、20歳だから仕方ないといえばそうですが、少しぶよっとした感じ。
同じ階級にいるデービス、ベルチェルト、伊藤、過去には内山や三浦もいましたが、パワーでは彼らに劣っていますね。
そうは言ってもパワーに関しては今後いくらでも伸びると思うので、そこまで心配の必要はないでしょう。
もちろんパワーが他の選手と比べ全くないというわけではないので、贅沢を言えばパワーが欲しいといった感じです。
このパワーがないという短所を目立たせることになったのが、直近の試合の対ジェイソン・ペレス戦。
初の判定まで10ラウンドを体験しました。
べレスはこれまで5敗していますが、KO負のない選手。
しかし、Top Expectedの一人ガルシアであれば期待も大きいです。
いきなりの右もガード越しではあるものの相手をぐらつかせており、ダッキングもうまい。
ここまで差を見せつけるなら、ラストにはKOがしてほしいですね。
パワーの他にも、もう一つ。
強敵との対戦がまだないという事。
これゆえに、ガルシアが世界王者になれるのかというと、「?」のつく識者が多いです。
GBPに大事に育てられているので、仕方のない事ですが、そろそろ強敵との試合が見たいと思います。
まだ早いかもしれませんが、本人はしきりにガーボンタ・デービスとの試合を要求しています。
まだWBC33位なので、権利はありませんが、トップコンテンダーには食い込んでくるでしょう。
ハンドスピード対ボディスピードの図式となりますが、大事に育てられたガルシアと、荒々しいデービスという性格の違いも楽しみですね。
まとめ
今回は米国ボクシング注目の選手、ライアン・ガルシアに関してまとめさせていただきました。
まだ強敵との試合がなく、いまだガルシアの良い面しか分かりません。
スピードとそれを活かしたカウンターは一級品ですが、パワー・体つきが少し寂しいかなといったのが印象です。
とはいってもまだ20歳になったばかり。選手生命はまだ長いです。今後のパフォーマンスに注目しましょう。
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