田口良一と井上尚弥の過去の試合内容はどうだったの?

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辰吉丈一郎対薬師寺保栄、畑山対坂本など日本のボクシング界では 多くの「伝説」とも言える試合が行われてきました。

2013年8月25日、多くの人に知られることはありませんが実はもうひとつ語り継がれるべき日本人同士の素晴らしい試合があったのです。

その試合とは日本ライトフライ級王座のタイトルをかけて戦った、田口良一選手対井上尚弥選手の試合です。

破竹の勢いで連勝を重ねていたモンスター井上尚弥に対し、そこまで知名度はなかった田口良一選手ですが、2018年現在この二人は日本を代表するボクシング選手となりました。

ボクシング関係者の中ではこの試合を日本タイトルの試合ではなく世界タイトル級の試合だったと評価する人も多くいます。

判定による決着だったゆえにあまり注目はされていませんが、今回はこの田口対井上選手の試合を振り返ってみたいと思います。

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井上のKO勝利の試合予想を覆した田口良一

まずはこの試合、結果から先に言ってしまいますと3対0の判定で井上尚弥選手が勝利を収め、田口選手の保持していたライトフライ級のベルトを井上選手が獲得したと言う形になりました。

 

実はこの試合、開始前からどちらが勝つのかということよりも井上尚弥選手がどのようにして田口選手を倒してくれるのか、KOしてくれるのかが注目されていました。

 

ラウンド序盤では、予想通り井上尚弥選手の強烈なパンチやコンビネーションなど天性のボクシングテクニックが目立つ試合展開となり誰もが井上選手のKO勝利を予感しました。

 

しかしアナウンサーや解説者の様子がだんだんと変わってきたのが 4ラウンドー5ラウンドにかけてです。

その理由のひとつに、井上選手はかなりいいパンチを当てているにもかかわらず田口選手が一向に引くことがないのです。

苦しい表情こそ見せるものの、パンチが当たるたびにむしろ前に進んでくる田口選手は、「タフネス」そのもの。

今まで全戦全勝できていた井上選手にとって初めて、「どう戦っていいのか」と考えさせられたに違いありません。

ラウンド中盤から終盤にかけてむしろ目立ったのは田口選手のスタミナとパンチをもらっても怯まない精神力でしょう。

終盤に井上選手のパンチが当たると、会場はワット湧き上がりますがそれは井上選手に対するものではなく、田口選手を応援する声援かのようにも思えました。

それぐらい田口選手の見せる気迫は凄まじいもので会場を飲み込んでいました。

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この試合の”何が”すごかったのか?

それではこの試合一体何が具体的にすごかったのか、両選手の視点に立って何点か解説していきましょう。

井上尚弥のすごかった点

まずは井上選手。

井上選手は幼少の頃から父親によるボクシングの英才教育を受け、アマチュア時代からの成績も試合内容もすでにアマチュアのそれではありませんでした。

よってプロデビュー戦からメディアの注目の的となり田口選手と当たるまで3戦3勝もちろん全てKOによる勝利です。

皆さんもすでに予想できているかと思いますが、この試合の何がすごかったと言うと井上選手の見せる「パンチ力」と「ボクシングセンス」この二つに着きます。

特に右ストレートの強烈さや、3発4発と組み合わせるコンビネーションの旨さ、また迫ってくる相手に絶妙のタイミングで合わせるカウンターパンチ、これは練習による努力ももちろんありますがやはり天性によるものと言わざるを得ません。

試合の序盤から終盤までこの井上選手の強みは一定のレベルで常に 発揮されていました。

なかなか引かない田口選手を見て焦った部分もあったのでしょうが、結局最終ラウンドまで強烈なパンチやコンビネーションを当て続けた井上選手が判定勝利となりました。

おそらくこの判定結果に、異論を示す人はいないでしょう。

簡単に言ってしまえばプロ4戦目にしてもうすでに井上選手の実力は、通常のボクサー選手のものとは比べ物にならないレベルに達していたということになります。

まさに怪物は怪物だったと改めて世間に知らしめた試合でもあったのです。

田口良一のすごかった点

続いて田口選手です。

田口選手は正直なところ井上選手のような強烈なパンチや見るものを魅了する天性のボクシングスキルを持っているわけではありません。

その反面、田口選手の一番の特徴は自分のペースを乱すことなく試合を運ぶことができる「冷静さ」。その一点につきます。

技術的な部分を詳しく見ていくと田口選手のポイントとなるのは左ジャブです。

この左ジャブは相手をKOするものではありませんが確実に相手の出鼻をくじき、決定的な一打を打たせません。

もう一つあるとすれば、撃ち合いの後に見せる強烈な左フックです。

通常ボクシングの試合の場合、全力で何十発も打った後は、一反両選手は距離を保ち呼吸を整えようとします。

しかし田口選手は違います、離れるかと思いきや、その死角から強烈な左フックを放つのです。

実際井上選手はこの左フックを何発ももらっていました。

田口選手の持つリーチの長さも、その試合運びにはとてもマッチしています。

変な言い方かもしれませんが田口の戦い方をよく「ゾンビ 」というふうに評価する人もいます。

私は個人的にはこの表現が田口選手の戦い方を表すのにとても合っていると思います。

殴っても殴っても怯むことなく攻めてくるその姿はまさにゾンビで普通の選手であればスタミナ切れか、判定によるKO負けで試合を終えてしまうでしょう。

田口選手の戦績を見れば 実際にその通りの戦績となっています。

まとめ

今回、井上選手と田口選手の試合動画を見ながらこの記事を書いていますが、やはり心底思うことは井上選手がいかに無敵かということです。

もう本当に穴がありません、すべてが規格外で田口選手も この選手と判定まで持ち込めただけでも十分な評価を得たのではないでしょうか。

それだけ井上選手というのは100年に一度いや200年に一度の選手なのです。

現在、井上選手の方が重い階級にいますが、個人的にはいつかこまたどこかでこの二人がぶつかってほしいと言う期待もあります。

そのためにも田口選手は確実に勝利を重ねていき、若かりし頃に一度対戦しているこの二人がラスベガスの舞台で試合をしている、そんな光景もボクシングファンにはたまりません。

是非期待したいものです。

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