WBSSバンダム級。最注目は何といっても井上尚弥ですが、もう一人その動向が気になる選手がいます。
「フィリピンの閃光」ノニト・ドネア。
ドネアがこのWBSSに出場すると決まったのを聞いたときは、興奮したファンも多かったでしょう。
WBSS初戦は対ライアン・バーネット戦。
ドネアの軌跡とともに、ライアン・バーネット戦を振り返りたいと思います。
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まさかの中止か?と思われた試合前
事実としてドネア対バーネットは行われ杞憂に終わりましたが、試合前には直近でフェザー級で戦っていたドネアのバンダムへの体重調整が間に合わず、バーネットの相手がポール・バトラーに変更するのでは、という噂が流れました。
ポール・バトラーは、ロドリゲスにもテテにも過去負けているので、この選手が出てきても面白味に欠けるというのが正直なところ。
しかし、特段のリリースもなく計量当日に。杞憂に終わりよかったです。
体調万全が伺えた計量
バンダム級のリミットは118ポンド。
バーネットが117.8だったのに対し、ドネアは117.7だったそうです。
一体どこから出た噂だったのか?
確かにいきなり2階級下げて試合をする選手が少なかったので、心配の声が変に伝わり調整失敗という噂につながったのかもしれません。
計量のドネアの様子を見る限り、表情は良いです。やはり元々がフライ級の選手なので、さすがにフェザーは無理があったのでしょう。ドネアの全盛期はバンダム級だと思います。
なんといっても強烈な左フックで両足を痙攣させた対フェルナンド・モンティエル戦。
実はノンタイトルも含めたバンダムでの戦いは過去に3度しかないのですが、この印象が強烈でドネアといえばバンダムのイメージがありました。
ちなみにバンダムで最後の試合はオマル・ナルバエス戦。
当時無敗だった2階級制覇王者のナルバエスになにもさせずに圧倒しています。
いつも計量時、ドネアの体は少しだぼっとしている感じなので、今回もそうかなと思いきや、腹筋には割れ目が見て取れます。顔色もいいですし、調整は問題なしと見ていいだろうと思いました。
対して心配になってしまったのがバーネット。計量は一発OKでしたが、その後のフェイスオフの前に舞台袖に下がってしまい、中々出てこない。その間ドネアはメディアサービスなのかダンスを披露していました。
今思えば、この時既に波乱の予感はしていたんですね。では、試合内容を見ていきたいと思います。
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ドネア対バーネット試合内容
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どちらも打ち合いは好まない選手です。中間距離での戦いが続き、決着は判定であろうと戦前は予想していました。
ドネアは若干左のガードを下げ気味で構え、対するバーネットは左拳をベルトラインより下に持ってきています。
序盤は予想通りでした。バーネットが下がりつつ、ドネアにカウンターを合わせていく。距離が近くなれば、離れるという展開です。見たところ、どちらも絶好調というわけではないが、調子は良さそうです。
1ラウンドはどちらも様子見といった動きです。
2ラウンド開始時、ドネアにジャブが出始めたと思った矢先にバーネットの右カウンターが浅いですが入ります。そこからバーネットはスピードのギアが一段階上がった気がします。細かいフェイントの数も増しました。
しかし目がいいバーネット。ドネアにコーナーに詰められますが、全て目で見きっています。さすがスーパー王者。ドネアに詰められればガードしてしまいそうなものですが、ヘッドスリップとボディワークでしのぎました。
そしてコーナーを出てから強打のワン・ツー。きちんとポイントを取っています。手数が出ているのはドネアの方ですが、的中率とリングジェネラルシップで1.2ラウンド共にバーネットです。
3ラウンドもドネアがバーネットをコーナーに詰めますが、結果は一緒。ストレートを打つ際、左側にナックルを返すような打ち方をするので、そこまで伸びていかないのかもしれません。当て勘もそこまでよくないかな。当たれば効かせられると思いますが。。
4ラウンド目、バーネットはジャブすら見切るようになりました。と思っていた矢先、残り50秒ほどのところで、バーネットが右脇腹をおさえしゃがみこみます。
明らかに痛めた様子。その4ラウンドはドネアの猛攻にあいつつもしのぎますが、5ラウンド開始時にギブアップ。ドネアのTKO勝ちとなりました。
右ストレートを打った際の反動で、おこった肉離れだそうです。
確かに下半身の位置そのままに上半身だけ回転しているような感じですね。
更に、バーネットは上半身を細かく素早く動かすのがスタイルなので、腰部分の酷使は他の選手よりもしているはずです。
そのツケがこのシーンで出てしまったんだと思います。メイウェザー対天心くらいあっけなく終わっちゃいましたね。
これでドネアがスーパー王者ですか。。あまりその名にふさわしいパフォーマンスとは思えませんが。。
あのままのペースでいけば、バーネットの判定かKO勝ちの様相も呈していましたので、本当にもったいなかったです。
何はともあれ、WBSS4強が出そろいました。井上、ロドリゲス、テテ、ドネア。
最も衝撃を残しているのは井上で間違いありませんが、大方の予想通りいくのであれば、決勝は井上対テテが濃厚です。
まとめ
結果としてアップセットになったドネア対バーネット。スーパー王者の冠がある選手は最後まで残り、井上と戦ってほしかったですが、これがボクシングトーナメント戦の怖い所ですね。
何はともあれ、これでWBSS4強が揃いました。井上、ロドリゲス、ドネア、テテ。井上以外はそこまでアピールの出来る試合内容ではなかったようなので、優勝候補はいまだ井上で間違いなし。井上以上の衝撃を残せと言っても中々無理がありますが。。
まだまだ先の長いWBSSバンダムのトーナメント。今回のような終わり方は、これで最後になると願っています。
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